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幼稚園からのおしらせ

2012.02.10  クランクランとシーライ 

昨年度、お子さんが在園なさっていた方は、一月号の巻頭言に「クランクランとシーライ」のことを私が書いたのを覚えておられるかもしれません。今年も8日から17日(移動日を除けば現地では10日から15日)まで八月号の巻頭言で紹介したイースタービレッジを訪問してきました。皆さんから寄せられた寄付金1万7千円も届けてきました。ご支援ありがとうございました。

 

さて、そのクランクラン(クラリス、3歳)とシーライ(セシリア、2歳)ですが、それぞれ生まれた直後にこの施設に預けられた子供です。特に、クラリスは施設長の祐川神父を「パパ」と呼び慕っています。二人ともとてもかわいらしく、ここのマスコットのような存在です。しかし、初めての試みとして、今、国際養子縁組の手続きが進められています。養子縁組は年齢が低い幼児期でなければ難しいのです。彼女らがいなくなるのはとても寂しいことですが、子どもにとっては、「両親」の下で暮らすのが一番です。家族のような関わりを大切にしてその「絆」を培ってきた施設のスタッフや他の子供たちにとっては、少し酷な現実です。それでも、子どもは施設にいるよりは親の下にいるべきだという原則を貫いています。

行政は子どもを預けたらあとは何もしてくれません。昨年、1日だけ緊急に預かってほしいと頼まれて預かった子どもは、その後役所からは何の連絡もなく、そのままここに居続けています。当てにならない役人には期待せず、イースタービレッジのスタッフは、両親や親せきを追跡し、帰せる環境が整っていたら帰すように努めています。そのため、小学生から高校生(日本の中高生)の児童の数は一昨年の半数になっていました。一方新たに来る児童はほとんどいません。街を見れば、保護すべき子どもは数多といます。祐川神父曰く、「役人はリゾート地での研修にばかり励んでいて、現場での仕事をしていない」ためだそうです。

 

年に2回訪れている私も、親しくなった子どもがいなくなっているのには残念な気持ちになります。しかし、それが子どもにとって一番だと信じるしかありません。往々にして、親元に帰っても、もとの黙阿弥で、学校にも行けずストリートに戻ってしまうケースもあります。ここにいれば、衣食住も教育も保障されることを想えば、ここに残さずに親元に帰すことが本当に子どもの幸せなのか正直分からなくなります。人と人とを結ぶ「絆」の現実的な意味を考えさせられます。